濃厚なFX 比較
株式市場ニュートラルのリターンは、運用者の銘柄選択能力にかかっているといえるが、必ずしも毎回銘柄選択が成功するとは限らない。
場合によっては、ロング・ポジションにある銘柄が下落し、ショート・ポジションにある銘柄が上昇することで、中立化したはずの市場リスクが、通常よりも拡大してしまうことも想定される。
したがって、株式市場ニュートラルは、市場リスクを中立化(ニュ−トラライズ)しているものの、銘柄選択のリスク自体は残されたままの戦略あるいは、銘柄選択が失敗しなかったとしても、ペア・トレードにおけるマッチングで失敗することもある。
たとえば、同じハイテク銘柄のABの二つの企業を選び出したとしよう。
どちらもハイテクに属する企業だともいえる。
が、実は、AはPCメーカーであるのに対し、Bはウェブサイトによる小売業だとする。
しかも、Aは大企業で株式の流通高も多いのに対し、Bは比較的規模も小さく、株式の流通高も少ないとしよう。
こうしたペアの場合、A-Bどちらも運用者が予想した方向に株価が推移したとしても、市場リスクや業種リスクを遮断したトレードとはいえなぃ。
PCメーカーの銘柄だけが変動する相場の場合、あるいは中小型株だけが変動する相場の場合等々、運用者が遮断し切れなかったリスクによって、このベア・トレードは、思わぬ損失を被ることになる。
ショート・セリングは、株価の下落によって利益を創出する戦略である。
自分では保有していない株券を第三者から借り入れ、市場で借り入れた株券を売却し、株価が値下がりした時点で買い戻すことで、利益を確定する手法で、いわゆる「空売り」戦略のことである。
ショート・セリングを戦略の一部として採用しているヘッジファンドはあるものの、その目的は、他戦略のへッジ手段であり、ショート・セリングをリターン確保のツ−ルとして活用しているところは少ない。
卯年代から2000年にかけての米国株の上昇相場が、ショート・セリングのリターンを悪化させ、投資機会を奪ってしまったためと思われる。
ショート・セリングの戦略は、極めてシンプルだ。
株券を空売り(ショート・セリング)し、株価が下落したあとに買い戻すことで利益を創出するというものである。
ショートの対象となる株式は、業績の悪化が見込まれる企業、株価に高いパリュエーシヨンがつけられている銘柄、そして経営能力の低い経営者が存在する企業などである。
株券の空売りによって得た現金は、ブローカーの口座に預けられ、国債などの無リスク資産に投資されることで金利収入を得ることもできる。
こうした金利収入もショート・セリングの重要な利益源であり、「リベート」と称されている。
ただ日本の場合、金利が非常に低いので、ショート・セリングでの金利収入はほとんど期待できない。
あくまでもリターンは、株価の下落から創出される。
ショート・セリングで重要なポイントは、低いコストでショートする株券を第三者から借りてくることである。
運用者は通常、ブローカーに株券の調達を依頼し、ブローカー経由で株券を借り、ショート・セリングをする。
依頼されたブローカーは、すでに株券を保有している投資家を見つけ出し、その投資家から一定の賃借料を支払って、対象となる株券を借り入れる。
そして、二疋のマージンを上乗せして、ショート・セリングの運用者に貸し出す。
このように、ショートを希望するヘッジファンドのために、株主から株券を借りてきてショートの準備を整えるブローカーを、「プライムブロ−カ−」と称する。
株式をロングした場合、利益は(理論上)無限大に拡大するが、その一方で損失は株価がゼロになるだけ(下落率は最大で100%)と限定的である。
ところが、株式をショート・セリングした場合、ロングの場合とは逆で、利益は最大(株価がゼロになったとき)でも100%と限定的である一方で、損失額は無限大に拡大する可能性がある。
たとえば、1999年にインターネット関連株をショートしていたら、損失幅は投資額の3、4倍になっていただろう。
このため、ショート戦略の場合、通常の戦略にも増してリスク管理、特に利益管理が重要となる。
いつでも自由に株式を借りられるわけではない。
対象が小型株など流動性の低い銘柄の場合、その銘柄を保有している株主の数が少ないため、ショートするために貸してくれる株主を見つけ出すのが困難となり、ブローカーに支払うコストも高くなる。
また、仮に株を貸してくれる株主が見つかったとしても、通常の数倍もの賃借科を要求されることも多々ある。
ショート・セリングの運用者は、こうした場合、無理に株を借りてショートしたとしても、ファンドのリスクが高くなる一方で、リターンは低くなる。
そのため運用者は、その銘柄のショート・セリングを諦めざるを得ない。
また、株を借りられる期間が短期間に限られる場合もある。
この場合、いずれは株価が下落するとわかっていても、期限に達してしまえば、運用者は株式を買い戻し、もとの株主に株式を返却する必要が出てくる。
ショート・セリングでは、株式の流動性、株の賃借料、リベートなどがリターンを大きく左右する重要なファクターとなる。
こうしたファクターの多くは、プライムブローカーの能力によるため、ショート・セリングの運用者は、プライムブローカーの選定に細心の注意を払う傾向にある。
「多くの銘柄で長期間に株券を借りる能力」や、「株の賃借料を低く設定できる能力」、そして「リベートをより高く支払うことができる能力」などが、プライムブローカーを評価するうえでの基準となる。
マクロ投資は、一般の人がヘッジファンド投資として思い描く代表的な戦略であろう。
実際、マクロ投資は卯年代においてヘッジファンド全体の約7割を占める最大の戦略だった。
しかし、相次ぐ成功を背景に資産規模を必要以上に大きくしてしまい、巨大な資産に見合ったリターンを創出することが難しくなった。
そして、卯年代後半には資産のおよそ半分を失うという巨額のロスを計上した。
一方、マクロ投資以外の他戦略は、相反するように資産規模を急速に拡大させた。
その結果、マクロ投資は、現在ではヘッジファンド全体の1割を超える程度の規模にまで縮小している。
マクロ投資は、株式、債券、商品、通貨などさまざまな市場において、市場価格とフェアバリュー(適正価格)とのギャップを見出し、ギャップを解消する方向にポジションを傾ける戦略である。
ポジションを構築する際には、現物だけでなく先物、デリパテイプなども多用して、非常に高いレパレッジをかける。
このため、他戦略に比べてボラティリティが非常に高く、ポジションサイズも大きくなる傾向にあるが、成功すれば他戦略と比較しても非常に大きな利益を得ることが可能となる。
マクロ投資の運用者として知名度が高いのが、Jである。
ソロスは、400倍ともいわれる非常に高いレパレッジをかけて、株式、債券、商品、通貨など世界中の市場に投資をし、巨額な利益を手にした。
1969年にソロスのファンドである「クオンタファンド」に1000ドル投資していれば、2000年には400万ドルを超える資産となっていた、という話は有名である。
実際、クオンタファンドは初年間にわたり年率剖%のリターンを記録している。
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